ネットワークの基礎講座
IP(インターネット・プロトコル)
クラスレスのドメイン間ルーティング(CIDR)
クラスレスのドメイン間ルーティング(CIDR: Classless Inter-Domain
Routing “サイダー”と発音する)は、特にクラスCのアドレス枯渇とルーティング・テーブルの膨張の問題に対処するために開発され、RFC 1520, 1519, 1518, 1517, 1467に記載されている。
クラスCのアドレスは約200万のネットワーク番号の容量がある。標準のIPのルーティングは、クラスA,B及びCのネットワーク番号のみに基づいて行われる。バックボーンのルータはこれらのルーティング・テーブルを有することになる。それでもクラスCのニーズは大きく、このままではアドレスの枯渇が危惧される。最終的な解決はIPv6への移行であろうが、これは大きな投資が必要になる。クラスCは通常企業が取得するが、その場合はNAPTなどのプロキシがファイアウオールとして存在し、インターネット側のIPアドレスの数は限られる。従ってISP(プロバイダ)はあるまとまったアドレスを取得し、これを細分化してユーザに割り振れば、アドレスの有効な割り振りとバックボーンのルータの負担が軽くなる。
CIDRにおいてはネットワーク番号(つまりクラス)によるルーティングを行う代わりに、IPアドレスのある上位のビット(これをIPプレフィックスと呼ぶ)だけに基づいてルーティングがなされる。これが「クラスレス」と呼ばれる理由である。CIDRルーティングの各エントリーは32ビットのIPアドレスと32ビットのネットワーク・マスクで構成される。つまりこれだIPプレフィックスの長さと値が与えられることになる。これを<IP_address network_mask>というかたちで表現する。ネットワーク・マスクは通常上位ビットが1...1とされるので/24などのように1のビットの並びの長さで表現することもある。例えば<194.0.0.0 254.0.0.0>あるいは<194.0.0.0/7>は7ビットのプレフィックス1100001を意味する。CIDRはネットワークのグループをひとつの共通のIPプレフィックスを使ってひとつのルーティング・エントリーとして処理する。これをアドレス集積(Address Aggregation あるいはAddress Summarization)と呼ぶ。
CIDRの実装は後述のBGP-4(Border Gateway Protocol Version 4)に基づく。
CIDRとは
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