Apache Tomcat Test Environmentについて

(ダウンロード、設定及びその使い方)


 


Apache Tomcat Test EnvironmentVisualAge3.5版のアップグレードとして存在していた。3.5.3版にもアップグレードモジュールとしてダウンロードできるようになっている。

 

TomcatApacheソフトウエア・ファウンデーションによるオープンなウェブ・サーバであり、Servlet仕様書の2.2版とJSP仕様書の1.1版に対応している。VisualAge for JavaではApache Tomcat Test Environmentでこれに対応している。

 

 

ダウンロード

 

VisualAge3.5版にこのテスト環境をインストールするには、http://www7.software.ibm.com/vad.nsf/Data/Document4293を開き、以下の3つのアップグレードをダウンロードする。

-      Apache Tomcat Test Environment (Tomcat3.1.zip)

-      Patch 1 for Version 3.5 (patch1.zip)

-      Patch 2 (Professional) for Version 3.5 (patch2pro.exe)

これらのファイルは適当なフォルダに保管することが好ましい。この3つのファイルを(zip形式のファイルは解凍後)実行させる場合は、実行中のアプリケーションを全て終了させることが重要である。

 

VisualAge3.5.3版にこのテスト環境をインストールする手順は、別の付属資料(VisualAge3.5.3版について(アップデートのしかた))で既に示してある。

 

 

Apache Tomcat Test Environmentの開始

 

開始の手順は以下のようである。

1.           Apache Tomcat Test Environmentのフィーチュアをワークスペースに追加する。注意としてApache Tomcat Test EnvironmentWebsphere Test Environment及びSun Servlet APIとの共存はできないので、あらかじめこれらのフィーチャはワークスペースから削除しておく必要がある。追加の手順は以下のとおりである。

(ア)  ファイル>クイックスタート>フィーチャ>フィーチャの追加と選択

(イ)  OKをクリック。フィーチャ選択のダイヤログボックスが開く。

(ウ)  Apache Tomcat Test Environmentを選択する。

(エ)  OKをクリックする。

(注意): なおこのフィーチャの削除はクイックスタートのウィンドウからは出来ず、ワークベンチのプロジェクトを削除することになるので、作成したサーブレットは必ずエクスポートしておくこと。

2.           Apache Tomcat Test Environmentの開始

(ア)  ワークスペースでApache Tomcat Test Environment なるプロジェクトにあるcom.ibm.ivj.tomcatパッケージにあるTomcatRunnerクラスを選択する。

(イ)  右クリックして実行>アプリケーション(main)の実行を選択する。そうするとApache Tomcat Test Environmentのダイヤログボックスが開く。

(ウ)  Start Tomcatをクリック。ダイヤログ上とコンソールのウインドウにVisualAge for JavaApache Tomcat Test Environmentが走っていることを示すメッセージが表示される。

 

これで自分が作成したJSPHTML及びServletのファイルをこの環境で走らせることができる。

 

デフォルトでは、JSPのソースのコンパイルはVisualAge for Javaのもとで出来るよう設定されているが、これをVisualAge for Java外で行いたいときはX:\IBMVJava\ide\project_resources\Apache_Tomcat_Test_Environment\conf\web.xmlのファイルの以下の部分をコメントアウトする必要がある。

<init-param>

   <param-name>jspCompilerPlugin</param-name>

   <param-value>com.ibm.ivj.tomcat.

      IVJJavaCompiler</param-value>

</init-param>

 

また、ワークスペース上ではプロジェクト名がApache_Tomcat_Test_Environmentとアンダースコア(“_”)で単語をつないだ記述になっているが、これはApacheのウェブサーバがスペースを含むクラスパスを許していないためである。

 

 

Apache Tomcat Test EnvironmentによるServletのテスト

 

Apache Tomcat テスト環境でHelloWorldのサーブレットを実行させ、またその変更が実行中のサーブレットに直ちにホットリンクされることを確認しよう。

 

1.       Apache Tomcat テスト環境を前述の手順で開始させる。

2.       ブラウザのURLhttp://localhost:8080を入力して検索の実行をさせる。デフォルトのTomcatのホームページであるindex.htmlが表示される。これはデフォルトのTomcatのドキュメントルートからもたらされる。

3.       HelloWorldのサンプルをワークスペースにロードする。Tomcatのホームページから、Servlet Examplesをクリックし、次にHello WorldをクリックしてExecuteをクリックする。

4.       ブラウザ上に”Hello World !”が表示される。

5.       次に、ワークベンチ上でdoGetメソッドの付近にブレークポイントを設定してみる。このサーブレットはApache_Tomcat_Test_Environmentのプロジェクトのdefaultパッケージに存在する。

6.       ブラウザで更新(Reload)ボタンをクリックする。ブレークポイントが設定されているので、デバッガのウィンドウが開くはずである。

7.       デバッガのウィンドウ上で再開(Resume)ボタンをクリックする。そうするとブラウザ上に”Hello World !”が表示される。

8.       ブラウザ上で再度更新(Reload)ボタンをクリックする。

9.       今度はdoGetメソッドの以下の行を

out.println("<body> bgcolor=\"white\">");

から、

out.println("<body> bgcolor=\"red\">");

に変更してみる。これはバックグラウンドの色を白から赤に変える。

10.   デバッガのソース画面をクリックして、Ctrl-Sを押してこの変更を保存する。これでこの変更が実行中のサーブレットにホットリンクされる。

 

 

Apache Tomcat Test Environmentを使ったJSPファイルのデバッグ法

 

デフォルトでは、JSPが生成したソースコードはIDEにインポートされる。このソースコードをデバッグするには、このコードを通すのに単に統合デバッガ(Integrated Debugger)を使えばよい。

 

しかしながら、デフォルトのTomcatJSP Javaコンパイラを使い、それで生成されたソースコードをデバッグすることにする場合は、この統合デバッガ(Integrated Debugger)VisualAge for JavaIDEの外部にある.classファイルをデバッグするようにしなければならない。こうすると、IDEの外部にあるJSPから生成されたソースコードにブレークポイントを設定して、そこで実行を停止させ、その時点でのオブジェクトの状態やフィールドの値を知ることができる。

 

1.           Apache Tomcat Test Environmentを開始させる。

2.           自分のブラウザから、http://localhost:8080を入力する。デフォルトのTomcatのホームページであるindex.htmlが開く。これはデフォルトのTomcatのドキュメントルートからもたらされる。

3.           date.jspサンプルを呼ぶ。Tomcatのホームページから、JSP Examplesをクリックする。次いでDateをクリックしてExecute(実行)をクリックする。

4.           Debuggerクラスパスにこのソースのクラスパスを追加する。IDE上で、WindowOptionsCodingDebuggingと選択する。ダイナミックにロードするクラス(Dynamically loaded classes)のフィールドに以下を入力する。

X:\IBMVJava\ide\project_resources\

Apache_Tomcat_Test_ Environment\work\8080%2Fexamples

ここに、X:\IBMVJava は自分がVisualAge for Javaをインストールしたディレクトリである。その後OK2回クリックする。

5.           デバッガのウィンドウを開く。Breakpointsタブをクリック、MethodsExternal .class File breakpointsを選択する。外部.classファイルへのブレークポイントの設定のダイヤログボックスが開く。

6.           File in directory(ディレクトリのファイル)を選択、.classファイルをみつけるのにBrowseをクリックする。デフォルトとしては、.classファイルは以下のようになる。X:\IBMVJava\ide\project_resources\Apache_Tomcat_Test_ Environment\work\8080%2Fexamples

7.           Set Breakpoints in external .class file(外部.classファイルにブレークポイントを設定)のダイヤログにおいて、Set breakpoints in source(ソースにブレークポイントを設定)を選択、Details(詳細)をクリックする。Place breakpoints in source(ソースにブレークポイントを設定)のダイヤログが開く。このダイヤログ・ボックスを、自分が実行を停止させたい場所を設定するのに使う。デモンストレーションの目的のために、JSPから得られたファイルシステムに駐在するworkerサーブレットのPageContext.getAttributeメソッドにブレークポイントを置いてみる。

8.           ブラウザからdate.jspを更新する。これにより、指定した場所で実行が停止し、デバッガを立ち上げる。JSPから生成されたコードを調べる。ソースコードへの変更は出来ないことに注意すること。変更したい場合には、最初に述べたようにワークスペースにロードされたクラスでデバッガを走らさねばならない。

9.           この様にして外部でJSPから生成されたコードのデバッグを終了したら、ブレークポイントを全て外すことが重要である。デバッガからMethodsClearを選択することでクリアされる。